時間管理を突き詰めて探求していくと、「人生そのものの管理」というところまでたどり着いた。つまり、日々時間の管理を行っていった結果自分がどのような人生を歩んでいくか・若しくは歩んでいきたいかを考えるということになるのではないかと思うのだ。
我々ドクターというのは、考えるという事に時間を費やすゆとりを持てない、またはその時間をしっかり取らない習慣がついてしまっていないだろうか。診療・病棟の回診など多忙の為というのも勿論あるだろうが、今までの経験上「考える時間をとってもそれは徒労に終わる。だからやめておこう」という意識がついつい働いてしまうのではないだろうか。
ドクターのキャリアというのは、おおよそ務める医局の方針に沿って形成されていくのだと思う。上司が采配してくれ、よく言えば面倒を見てもらっている為それに従って行動するのが習慣づいてしまう。それでは自分自身でどのように行動するべきかを考える意識が薄れていってしまう。何よりも私自身が勤務医時代にその一人であった。
しかし開業するにあたり、自分で考え決断し行動しなければならないと変わる決意をした。したものの、考える事に慣れていない当時の私はついつい面倒がってしまい、医療経営コンサルタントにすべて丸投げして開業した結果、診療とマネジメントの板挟みになり、自分の時間が持てなくなってしまった。そういったケースに陥っている開業医の方は他にもいるのではないだろうか。 従って本当のドクターキャリアというのは、「一人の人間としてどう生きたいかを考え、自分で決めて管理していくもの」だと私は考える。人間としてどう生きたいと願うかは人それぞれ、その人の心の内にしかないわけだ。自分の心の中にある目標を芯太く掲げ、それを成し遂げていく為には、自分で計画を立てる必要がある。そして、それを積極的に行動に移していくことが大変重要である。
医師の転職活動にも同じことが言えるだろう。
まずは積極的に行動してみるとよいのではないだろうか。