現役で仕事をしている医師の中には、声を荒げて怒られたり、怒鳴られたりしながら育ったという人も少なくないのではないでしょうか。今の若い人の中には、怒鳴られると逃げ出してしまうという人もいると言われていますが、若いときに怒鳴られた経験が、あとになって役に立っているという先輩医師の意見は多いと言われています。医療の現場というのは、ダイレクトに人の命がかかっていると言えるため、ボケっとしていたり、うっかりミスをしてしまったら一大事につながりかねないと言えるでしょう。そのため、単刀直入にズバッと言注意される構図にならざるを得ないとも言えるでしょう。しかし、近頃は、怒られなれていない若い医師を怒る方法に頭を抱える先輩医師も多いのではないでしょうか。 立場上、怒鳴ったり怒ったりすることに対し、良く思われないこともあるでしょう。もちろん医療の現場も、世間一般の社会と同じように、時代とともに変わらなければならないところもたくさんあるのが現実でしょう。しかし、医師をめざすからには、厳しく指導を受けるということが、未来の自身への成長につながっていくということを理解していない研修医も少なくないようです。そういった研修医は、残念ながら使命感ではなく収入などで職業を選んでしまったのかもしれません。時代のせいにしてしまえば簡単でしょうが、どうして医者になりたいのかという根本に問題があるとも言えるでしょう。成績は優秀であっても、先輩医師の厳しさの意味を理解できない若手を育てるというのは、今後の課題のひとつであるとも言えるのではないでしょうか。もちろん指導者としての立場に立つ方も、権力だけにモノを言わせるのではなく、人間力を磨いていかなければならないのも当然でしょう。時代遅れにならないよう配慮しつつ、一番に救わなければならないいのちについて、より考えを深めていくことが重要なのではないでしょうか。立場によって視野を広げていく努力は、医師も一般の社会人でも同じであると言えるでしょう。

現場の厳しさ
投稿日:2019年4月11日 更新日:
